君に何度でも××をあげる

日比野姫咲(ひびのきさき)。日比谷線の“日比”に野原の“野”、“姫”に咲くの“咲”で日比野姫咲!」

「へぇ、姫が入ってるなんて可愛い。(ひめ)ちゃんだね」

「かわ…っ!?」


さらりと可愛いなんて言ってくる男子生徒に、慣れていないからかかっと頬が熱くなるのを感じる。


「あれ、照れてる?顔真っ赤」

「な…っ、ち、違う!これは…暑いから!」


笑っている男子生徒をきっと睨みつける。

この人、女慣れしててチャラい人だ。絶対そう!


ふと、ザワザワと廊下が騒がしくなってきた。

体育館からみんなが戻ってきたのだろう。


「よっしゃあ、いっちばーん…って、あれ?日比野じゃん。始業式早々遅刻かよ!」


バタバタと教室に最初に入って来た短髪男子は、去年も同じクラスだった野球部に入っているうるさいだけが取り柄の大野健太郎(おおのけんたろう)

明るくて常にクラスの中心にいた大野とは、仲良くなるのも早くしょっちゅう喧嘩もする仲である。


「うるさいな。何が“いっちばーん”よ。中二になっても子どもなんだから」