君に何度でも××をあげる

「えっともしかして…私も遅刻?」

「そうなるね。今日はいつもより十五分早く来るように言われてたし」

「ええー!」


こんなに全力で走ったというのに、結局遅刻…。

それならもう堂々と遅刻してくればよかった、最悪だ。


「桜…」

「え?」


ふと、男子生徒の後ろに満開に咲く桜の木が目に入る。


「すごい、学校にも桜の木あったんだ!きれーい!」


男子生徒の席まで駆け寄り、窓枠に手をつきながら身を乗り出して桜の木を眺める。

去年の教室はこの教室とは真反対の位置でしかも一階下だったため、学校に桜の木があることを知らなかった。


「桜、好きなの?」

「うん!大好き!」


反射的に答えながら笑顔で振り向くと、少し驚いたように男子生徒は目を見開いてからふっと吹き出した。