君に何度でも××をあげる

あと一階分登り切らなければいけないところで、本鈴が鳴り出す。


「あーもう!時間止まってくんないかな…っ!?」


馬鹿みたいな独り言を呟きながら、先生に見つかったら絶対に怒られるだろうけど廊下をバタバタと走りながら一組の教室を目指す。

なぜか廊下の一番向こう側に位置する一組の教室がやっと見えてきた。

ここが今日から、私が過ごす新しい教室だ。


「セーフ!」


本鈴が鳴り止むと同時に、バンっと教室の扉を開けて中に入ると、男子生徒が一人いるだけで窓側の席の一番後ろに腰掛けて頬杖をつきながら外を眺めていた。


「…セーフ?」


こっちを向いた男子生徒は、まるで不思議なものを見るかのように私を見つめながら、首を傾げた。


「え、あれ?みんなは…?」


クラスメイトがこの男子生徒一人…なわけないし。

一体他のクラスメイトはどこに消えてしまったの?


「始業式があるから体育館に行ってるよ。俺は遅刻してきたから、もうすぐ終わりそうだったし教室に来たんだ」