君に何度でも××をあげる

サイドテーブルに置いておいたお粥が綺麗になくなっていた。

渡良瀬くんに優しく微笑まれ、不覚にもどきりとしてしまい咄嗟に顔を逸らす。


「とりあえず、私は帰るけど、また何かあったら連絡して。これ、私の連絡先。必要なかったら捨ててくれていいから!」


渡良瀬くんのことがまだ心配ではあるけど、いつまでもここにいるわけにはいかないし、手を繋いでいた気まずさから今すぐここから去りたい。

鞄の中から適当にちぎった紙に連絡先を殴り書きしたものを置いて、返事も聞かずに渡良瀬くんの部屋を出る。


「あっつ…っ」


すっかり暗くなった外は、夏でもないから涼しいはずなのに、顔の熱はしばらく消えそうになかった。



昨日の夜、家に帰りお風呂から上がった頃に、渡良瀬くんから連絡が来ていた。

“今日はありがとう”

シンプルなその内容に、どう返信をすればいいかわからなくて、結局既読無視してしまっている。