君に何度でも××をあげる

「何一人芝居してるわけ?次移動教室なんだから、早く準備して」


先に行こうとする薄情な鳴海を、慌てて教科書を準備して追いかける。



放課後になり、クラスメイトがそれぞれ帰っていく中、ぼんやりと窓の外を眺める。


「姫咲。帰んないの?私、今日大翔(ひろと)とデートだから先帰るよ」

「あ、うん!私ももう帰るよ。ヒロくんによろしくね」


鞄を肩にかけた鳴海はそのまま帰ろうとしたが、ふと、くるりと振り向いてきた。


「そんなに渡良瀬のこと気になるなら、今日配られたプリント届けに行くとか口実作って見に行ってきなよ」

「…へ?や、やだなあ、鳴海ってば。だからそんなんじゃ…」

「ばーか。何年一緒にいると思ってんのよ。あんたがそんなに誰かのこと気にするなんて初めてでしょ。気になるならいつもみたいにわかるまで追い続けなよ」


たしかに私は昔から好奇心旺盛で、気になることがあると片っ端から足を突っ込む性格だった。

…だけど、それとこれとは話が別だ。

渡良瀬くんのことなんて別に気になってないし…。


「あ、宇多田先生ー。姫咲が渡良瀬に今日のプリント届けに行くって言ってまーす」