君に何度でも××をあげる

はーい、と元気よく返して荷物だけ置いて財布を持つと、再びお店を出た。


ゆうくんは私のお母さんの弟で、ゆうくんの家には二年前から住まわせてもらっている。

念願の夢を叶えてお店を持ったばかりなのに私の子守りまでさせてしまう羽目になってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいだったけど、ゆうくんは優しいからそんな私に逆に怒った。

家族なんだから気を違う必要はないと言われ、それからは私もゆうくんの優しさに甘えて過ごしているけど、毎年この日になるとどうしても思い出してしまう。


「姫ちゃん?」


牛乳を買い終わったけど、真っ直ぐ家に帰る気分になれずに桜並木の近くのベンチに腰掛けていると、横から声を掛けられた。


「…げ、なんでこんなところにいるの?」

「げ、ってひどいなあ。帰り道だよ」


もしかして、家近いのかな?

やだなあ、こんな風に渡良瀬くんと会うなら、あまり外を出歩かないようにしようかな…。


「今絶対失礼なこと考えてるでしょ?いいの?誕生日なのに、帰らなくて」


なぜか空いていた隣に腰掛けてきた渡良瀬くんに、嫌で顔をしかめるけどお構いなしにニコニコと微笑んでいる。


「それに、俺が声を掛ける前何を考えてたの?」