君に何度でも××をあげる

ハッと我に返ると、宇多田先生が教壇に立ちながらか細い声で必死に座るように促していた。

クラスメイトたちもその声でちらほらと自席に座っていく。


「あ、なんでも…。って、私の席どこ?」

「机の右上にネームプレート貼ってあるからそれで探しな」


鳴海はそう言うと、さっさと自席に行ってしまった。

私もキョロキョロと自分の名前が貼られている席を探すけど、なかなか見つからない。


「姫ちゃーん」


ふと、渡良瀬くんに呼ばれ振り向くと、ニコニコと笑いながら隣の空いている席を指差してきた。

もしかして、と嫌な予感を胸に恐る恐るその席を確認すると、“日比野姫咲”と書かれたネームプレートが右上に貼られていた。


「最悪…」

「お隣だね」


ニコニコと爽やかな笑顔を向けてくる渡良瀬くんをきっと睨みつける。


「最初に言っとくけど、私、あんたのこと嫌いだから!思わせぶりなことを誰にでも言うところとかヘラヘラした笑いも全部嫌い!」

「ひ、日比野さん…す、座ってください…」