君に何度でも××をあげる

先生はぱちくりと目を瞬かせると、ぶんぶんと激しく首を横に振ってきた。


「い、いえ!僕がこんな感じなのが悪いので…。で、でも、遅刻もよくないので、これからは気をつけるように、お願いします…」

「はーい、気をつけます!」


にこっと先生に笑顔で返す。


「私、渡良瀬(わたらせ)くんとずっと話してみたくて…同じクラスになれて嬉しいな」


ふと、さっきの男子生徒にクラスメイトの女子三人組が話しかけているのが目に入る。

そのうちの一人が頬をほんのりとピンク色に染めながら、“渡良瀬”と呼んだ男子生徒をチラッと上目遣いで見上げている。


「ありがとう。髪の毛サラサラだね?可愛い」


さりげなく女子生徒のボブ頭を撫でながら、渡良瀬くんはにこっと微笑んだ。

その様子に二人は「きゃあっ」と黄色い悲鳴を上げ、撫でられた女子生徒はもっと顔を赤くしていた。


…やっぱりね。可愛いなんて言葉、誰にでも言える人なんだ。

最低で、最悪な人。


「姫咲、どうしたの?先生がホームルームやるから座ってって言ってるけど」