君に何度でも××をあげる

このクラスでもきっと楽しい一年が待っているだろうな。

みんなとも仲良くなれそうで、嬉しいし。


「あ、あの、ひび、日比野さんですか…?日比野姫咲さん」

「え?」


人混みを一生懸命かきわけるようにしてやってきたスーツ姿の男の先生が、ずれたメガネを直しながら上目遣いでこちらを見てきた。

初めて見る先生な気がするけど、新人の先生かな?


「うちらの担任の先生。新任の先生なんだけど、始業式早々遅刻したあんたのせいで芦田(あしだ)に早速小言言われちゃってたんだからねー。ちゃんと謝んなさいよ」


鳴海が落ち着きのない先生を指しながら説明をしてくれた。

芦田とは、怖いと有名な生活指導担当でもある体育の男の先生だ。

生徒にも先生にも何かと突っかかる性格なため、周りからはあまりよく思われていない。


「う、宇多田圭(うただけい)って言います。みなさんの担任をやらせていただきましゅ!」


かしこまった感じで自己紹介をしてくれたのに、噛んでしまった宇多田先生にクラスメイトたちが微笑ましげに笑っている。


「あはは、そんなにガチガチにならなくていいよ先生。新しい環境で緊張してるのはみんな一緒なんだから、気楽に一年間過ごしていきましょ!あと、私のせいで小言言われちゃったみたいで、すみません」