みんなで練習を積んだのち、
「私ちょっと居残り練習するわ」
とメンバーに声をかけた。
「私も残ろうか?」
彼女が声をかけてくれる。
「いや、大丈夫。」
「そう?」
「ありがとね」
「うん」
ばいばいって声をかけて部屋を出ていく彼女。
ヤスも知らない彼女の良いところ。
私はくすっと笑った。
みんながいなくなって、今日やるって決めたこと。
「よしっ」
声を出して、あの席に座る。
高校二年の時、無垢な自分が牧田さんを待っていたあの席。
あの時聞いた『幾億光年』
今日は、ちゃんと私の曲を聴いた。
コレサワの『きっと夏』
この曲を聴きながら、あの高校生の自分、大学生の自分、そして今の大学4年生の自分を考えた。
