御堂先生は溺愛中


最後の英語の授業の日。



3月に入ってから数日が経ち、その日は朝から暖かかった。



窓際の席で柔らかい春の日差しを浴びながら、凛は頬杖をついて黒板を見つめていた。






今日が遂に最後なんだ。





御堂先生は1月に入って異動の噂が出てから、色んな生徒にどうなのか聞かれても否定も肯定もしていなかった。



出るのはいつも歯切れの悪い「どうかな。」という言葉だけで。



結局最後まで本当なのかどうなのか分からなかった。



でもなんとなく先生の反応から、今日が最後だってちゃんと心構えをしてきた。





だいじょうぶ。




凛がそう自分に言い聞かせるように呟くと、「謙ちゃん、おはよ!」といういつもの声が聞こえてきた。