「……もしかして、今から渡しに行くとか?」
うんともすんとも言わない凛に、海斗はおずおずとそう尋ねた。
「…いや、そうじゃないけどさ…。」
そこまで言いかけて、凛は大きくため息をついた。
「御堂先生に、渡したかったの。」
「ふうん。じゃあなんで渡さねーの?」
「自分の中で決めたことだから。」
「はあ?」
意味がわからないというような様子の海斗に、凛は諦めて全部話すことにした。
「私、御堂先生が通ってた大学に合格したら気持ち伝えるって、決めてたから。」
「あー、なんかそんなようなこと言ってたっけ。でもそれがなんで渡せないことと繋がんの?」
「だって、渡したら先生に気持ち気づかれちゃうから。」
「それの、何がダメなんだ?」
海斗の言葉に凛は「え…。」と声を漏らした。

