「凛は、御堂先生にバレンタインあげないの?」
2月の頭。結奈は不意に凛に尋ねた。
そういえば後1週間もすればバレンタインだ。
どうりで教室内が色めき立っていると思った。
「いや、何も考えてなかった。」
正直にいうとそんなことを考えている心の隙間がなかった、という言葉を飲み込んで凛は結奈にそう返した。
「え?そうなの?」
結奈は目を丸くして凛を見つめた。
「え、うん…。」
ありえない、と言わんばかりの結奈に凛はたじたじだ。
「凛、先生にチョコとかクッキーとかジュースとか色々もらってるんだよね!?」
「あー、まあ、確かに。」
「だったら何か贈らなきゃ!気持ちを伝えるとかは置いといて、お返ししないと。」
そういう結奈に、凛は「確かに…。」とすんなり納得した。
