「異動しないで!」「やだー!」と騒がしくなる教室内に、御堂は苦笑いを浮かべながら「分かったから、一旦席に着いて。」と宥めた。
分かってないよ、先生。
先生が異動したらもう私どうしたらいいか分かんないよ。
凛は苛立ちを抑えながらそう心の中で叫んだ。
それから凛は悩み続けた。
先生が異動しちゃったら、もう気持ちを伝えることができない。
もう関わりもなくなって忘れ去られちゃうかもしれない。
それは怖い。
先生と同じ大学へ行って、先生に頑張ったねって言われるために、素敵な人だって思ってもらえるために勉強を頑張っているのに、
先生と離れ離れになったらそれも意味のないことになってしまう。
気付けば私の生活の中心には御堂先生がいて、
私の動力源には先生がいて、
私が選択する先には先生がいて、
先生がいない生活なんて考えられないくらい、気持ちがどんどん大きくなっていた。
