「謙次郎さんは、お付き合いされてる方がいらっしゃらないと、お母様から聞きました。」
コースもだいぶ進み、最後のデザートが運ばれてくるのを待っている間、美麗は何かを覚悟したかのようにそう切り出した。
「ええ、まあ…。」
御堂はそんな美麗の言葉に曖昧に返した。
「謙次郎さんは地元ではなく、こちらで家庭を築くともお伺いしました。」
そういえばそんなこと、母さんに言っていたなと思いつつ「そうですね。」と言った。
「私は、地元を離れる覚悟はできております。……だから、私との将来を考えてはいただけませんか…?」
まっすぐに御堂を見つめてそう伝える美麗に、御堂は正直面食らった。
それから女性にそこまで言わせてしまうことを申し訳なく感じた。
