画面を見ると『母』と表示されていて、御堂は携帯を手に取るとそのまま職員室を出た。
「もしもし、何?」
『ごめんね、今大丈夫?』
母の声に、御堂は一応仕事中だけど…と思いながら、「いいけど、どうしたの?」と返した。
『謙次郎の家の近くに大きくて綺麗なホテルがあるじゃない?』
ああ、そういえば2年前くらいにできた有名な外資系のラグジュアリーホテルがあったな。
そう思いながら御堂は「うん、あるね。」と返した。
『お父さんの知り合いの方に、あそこのホテルのランチにご招待いただいたのよ。』
嬉しそうな母の声に、御堂は内心嫌な予感を覚えながら「で?」と言った。
『24日、土曜日でしょう?一緒にいきましょうよ。』
「何で俺となの?友達と行けばいいじゃん。」
『いいじゃない。だって謙次郎と2人で食事なんてなかなかないでしょ?ね?』
「ええー…。」
『じゃあ24日の11:30に、ホテルの前で待ってるからね。』
それだけ言うと母はガチャリと電話を切った。
…強引な人だ。
っていうかなんでクリスマスイブに母親と2人でランチしなきゃいけないんだよ。
御堂は心の底からそう嘆いた。
