お兄ちゃんがアイドルとか知りません!!



「お兄ちゃん、お風呂ありがと〜」


───生足。



認識した瞬間、反射的に口にする。



「ば、っか!お前!!!パンツ見えんだろ!?」




しばらく赤面した俺の顔を見たのち、自分の格好であることに気づいたらしい伊乃莉は、「あー、ごめんごめん」と言いながらもそのまま俺の方に歩いてきた。


「前の家じゃ、これがフツーだったんだも〜ん」


「お父さんの前でも…?」


「お父さん、常に自室でゲームしてるからさ」



…親父、変わってねぇ…。



「とにかく、俺の前でそういう格好はすんな!」


「え〜、だってお兄ちゃんだよ?」


…ったく。この無自覚鈍感女子が。




「…伊乃莉はさ、可愛いって自覚したほうがいい」




指に力を込めて、デコピン。




……俺この先、この可愛さ無自覚な妹と生きていける???