戦闘終了。
タクマは白青の炎を振るう様に剣を回し、鞘に差し込んだ。
画面が街中に戻り、戦闘前と同様の書き込みで大勢のプレイヤーが接近。
その動画がスローになり、PC異常なのかと、不測の事態に焦りが生じた。
見つめる画像の左端に違和感があり、上から下に直線が一つ右へ平衡移動する。
画像が波打つように歪んだ。
線の通り過ぎた画像は、漆黒の闇色に変わって無音。町もプレイヤーも、書き込みも塗り替えられていく。
線はタクマにかかり、姿は残るが静止したような画。
その線は私にも襲う。しかし、すり抜けた後の私に変化は無かった。
光が包んで、宙に浮いた状態の傍観者。
空間が違うのか、それともタクマに守られているのだろうか。
画面に残ったのは闇に静止したタクマと、光に包まれて浮かぶ私。無音。
タクマの足元から、じわじわと崩れていく画。
形を成していた部分が、0と1の数字に変化して散り尻になる。
それはまるで、人が砂や灰になって風にとばされるようで、恐怖が包む。
私の手は無意識に、キーボタンを連打していた。タクマを助けたくて。
ガラスにヒビが入るような軋む音。
耳に入る音に、私の手は止まり、変化する画像に目は釘づけ。
私(アバター)を包んでいた光が、音と共に弾け散る。
ガラスの破片が、思わぬほど遠くまで跳ねるように、光は画面全体に煌めいた。
散った光の破片が0と1に触れると音符記号に変わり、バイオリンの高音が曲を奏で、響く。
心騒ぐ期待。
備えられた出番は憧れる様な設定で、整えられた展開だった。
私は『ヒロイン』。タクマの危機を救う為に、必要な存在。
変身をしていない私の手に音符が集まって、触れた途端に、タンバリンが出現した。
残りの音符記号は、画の霞んだタクマを再形成していく。
装備の剥がれていたタクマを包む紺碧の鎧の欠如。

