桜木学園、歴史研究科百人一首部 〜桜の下、託された記憶〜

奈江湖(なえこ)お姉さま、お久しぶりです。こちら、(わたくし)の相方、藤堂蓮太殿でございます」
 藤堂くんも紹介された後、奈江湖さんにあいさつをした。
「お姉さま、蓮太でございます。どうぞよろしくお願いいたします」
 奈江湖さんは2人を見て、優しく笑った。
「穂奈美の母方の従姉、奈江湖でございます。蓮太殿、従妹(いもうと)をよろしくお願いします」
 まさに平安時代のやりとりだなと思いながら、私は踵を返した。
「じゃあ、詩波、歌波、またね」
 詩波(しなみ)が片想いしている藤堂くんが他の女の子と話しているところなんて、見ていられないからね。
 でも、どうしてだろう。詩波はあまり気にしていないようだった。