壊れて行く君へ、     壊したい僕へ

 私には、彼氏がいる。かっこよくて、何を考えている分からないくせに、奥底には優しさがあって。私の求めていた男性像にぴったりだった。
 それなのに彼氏が、女の子と極端に仲良くし出した。隠しもせずに。隠してくれたら、まだまだずっと楽だったのに――――。
「○○ちゃんと遊ぶ約束があるから、いってくるね。」
 ヘラヘラと笑いながら、こちらを向いて微笑む彼の顔は、引きつっていた。
「・・・んで」
 私は、勇気を振り絞って声を出した。
「何でよ!付き合ってるし、婚約もした。ペアリングも買って、結婚間近なのに...18歳になったら結婚するって言ってたじゃない!」
 秋の夕日で真っ赤に染まるきれいな空をバックに立つ彼。それはまるで、図々しく思えた。感情がこみ上げてきて、廊下中に響き渡る声で叫んだ。私は、普段こんなことはしない。でも、もう我慢ならなかったのだ。
「え...?なんでって?」
 彼は、目を丸くして答えた。まるで、自分に罪はないかのように。

「わ...私のこと、一番大事だっていてくれたじゃない!」
 そう言うと、彼はふっと真顔になった。
「好きだよ。大好きだ。君以外に好きな女なんかいない。」
 平気そうな顔をして、そういう彼が憎い。私が悪いみたいではないか。
「だったらどうして!」
 私は家中に響く声、人生で一番大きな声で叫んだ。
「え...?どうしてって...。俺は、嫉妬でぐちゃぐちゃの君が見たいんだよ。ただそれだけさ。」