腹黒王子の愛は、激甘でした。

2度目の生徒会室前にとても緊張する。

(でも、ちゃんと東条先輩と話さないと…!)

意を決して入ろうとしたその時、

「あれ?どうしたの咲良ちゃん?」

「ひぇっ…!!」

まさか後ろから声を掛けられるとは思ってなくて変な反応をしてしまった。

後ろから現れた人は肩を震わせて笑っている。

「あはは…!ひぇって驚く人初めてみた…!」

(前生徒会室にいた人だ!名前はえっと…)

私がポカンとしていると、

「その反応…もしかして俺のこと覚えてない!?」

と、びっくりしたように言った。

「お、覚えてますよ!生徒会副会長さんですよね…?」

「たしかにそうだけど…俺の名前は?」

ギクッ

(この前会った時に自己紹介してもらったのに、忘れましたなんて言えないよ〜!)

「ふは…!分かりやすすぎw」

副会長さんはずっと笑っている。

(だってどうしても名前思い出せないんだもん…)

ここは正直に言うしかないよね…

「すみません…前回色々あって忘れちゃって…」

私はおそるおそる白状した。

「全然大丈夫だから気にしないで!
改めまして俺、白流廉。今度は名前覚えて欲しいな?」

白流先輩は爽やかに笑った。

「にしても忘れられちゃってたのちょっとショックだなぁ…。俺颯汰には敵わないけど結構有名なのに…」

そう言って落ち込んでしまった白流先輩。

「ち、違うんです!本当に前回は色々あって…!
 今回はちゃんと覚えました!」

私がそう言って慌てていると、

「ふはっ!咲良ちゃんて素直で可愛いね。」

と、楽しそうに白流先輩は笑った。

(か、可愛いって言った!?私が…!?)

言われ慣れないセリフに思わず顔が熱くなる。

「あれ?咲良ちゃん顔赤いよ?
 もしかして照れてる?」
 
いたずらっ子のように笑う白流先輩。

「か…からかわないでください!私は東条先輩に用があるので!それじゃ!」

私はこれ以上白流先輩のペースに流されまいと慌ててその場を去った。だから、

「面白そうな子、みーつけたっ!」

後ろでそんなことを白流先輩が言っていることなんて私には知るよしもない。

 * * *

(早く東条先輩を見つけなきゃっ!)

私はとにかく東条先輩を探すことに必死になっていた。

(生徒会室にいないなら…あっあそこならいるかも!)

私は急いで校庭の噴水前に向かった。

そこには凛と佇む東条先輩の姿があった。