腹黒王子の愛は、激甘でした。

「第97回体育祭、栄えある優勝は…黄色組です!」

校長先生の声に黄色組からは一斉にワァッと歓声が上がった。

もちろん私も嬉しくて思わず隣にいた明日華に抱き着いてしまった。

「やったね!優!」

「うん!すっごく嬉しいね!」

体育祭は優勝が黄色組、準優勝が青組という結果になった。

また、得点もとても僅差でたったの10点差。

1つでも競技が負けていたら黄色組は優勝できなかったほどの大健闘だった。

「体育祭の順位はありますが、どの組も素晴らしい頑張りでした。これからも今回の経験を活かし、励んでいってください」

校長先生からのお話が終わり、休憩のため1度解散することになった。

私は明日華と並んで椅子に座りながら水分補給をする。

「はぁ~!体育祭疲れたけどめっちゃ楽しかったね!」

私がそう明日華に言うと、

「うん!めっちゃ楽しかった!…でも体育祭はまだ終わってないでしょ?」

とニヤニヤしながら意味深な答えが返ってきた。

(…?どういうことだろ?)

私は分からなく首を傾げていると、明日華は呆れたように言った。

「まだフォークダンスが残ってるでしょ!」

「あっ!確かにそうだった!」

私は競技が終わった満足感ですっかり忘れていた。

「それで優は誰とフォークダンスのペア組むの~?」

明日華はワクワクした様子で私に聞いてくる。

最後の競技であるフォークダンスは男女でペアを組み、一緒にダンスするという内容で毎年人気のある行事だ。

なにせ、好きな人がいる子や、カップルなどには絶好のチャンスである。

「優は颯汰先輩のこと誘わないの?」

キャッキャッと楽しそうに明日華は話を続ける。

「そりゃ…誘ってみたいけど…」

チラッと遠くにいる颯汰先輩を見てみると、女子に囲まれて笑顔で対応しているのが見えた。

(やっぱり颯汰先輩は人気だもんね…)

私は少し落ち込みつつも

「颯汰先輩は人気だし…私じゃ釣り合わないよ…!」

と笑って返した。

「優…」

何か言いたげに明日華は私のことをまっすぐに見つめる。

(”釣り合わない”って分かっててもやっぱり悲しいな…)

私が落ち込んでいるのに気が付いたように

「私は優の事、応援してるからね!」

と言ってくれる明日華に感動して私は抱き着いた。

「ううっありがと~!明日華!」

「明日華がなにか困ったときは絶対私が助けるから!」

決意を込めてそう言うと、

「優は相変わらず可愛いな~」

と大好きな笑顔で微笑んでくれた。

私は本当に人に恵まれていると思う。

「こんなに優しい親友に出会えて私は幸せ者だ~!」

私が満面の笑みで明日華に言うと

「私も優みたいな優しい子と親友になれて幸せ者だよ~!」

と抱きしめてくれた。

私たちは体育祭を通して、絆を確かめ合った。