腹黒王子の愛は、激甘でした。

あの一件があってから颯汰先輩との距離も縮まってきて、颯汰先輩がいる日常にもだんだん慣れてきた。

気づけばもう秋になり、体育祭が迫っていた。

今の時間は競技決めが行われている。

「ねぇねぇ!優はなんの競技にする?」

明日華はワクワクした様子で私に聞いてきた。

明日華は元々運動が得意で、体を動かすことがとにかく好きなんだ。

だから体育祭をすごく楽しみにしているらしい。

一方で私は運動神経があまり良くないから体育祭は少し憂鬱なんだ…

「できればあんまり走らない競技が良いかな〜…」

「じゃあ障害物リレーとかはどう?
優は器用だから向いてると思うけど…」

障害物リレーは走る距離が短いから良いかもしれない!

「たしかに良いかも!ありがとう明日華!」

「どういたしまして!応援してるからね!」

「うん!明日華も本番いっしょにがんばろ!」


 * * * 


4時間目の競技決めが終わってお昼休み。

今日は颯汰先輩と一緒にご飯を食べられる日。

急いでいつもの噴水前に向かっていると、廊下で廉先輩と会った。

(なんか会うの久しぶりな気がする…)

「お久しぶりです!廉先輩!」

私がそう挨拶すると廉先輩は私と同じことを思ったのか、

「咲良ちゃん!なんか会うの久しぶりだね〜!」

と、ニコニコしながらこたえてくれた。

「今から颯汰とランチ?」

「はい!」

私は思わず大きな声で返事をしてしまった。

その反応に廉先輩は

「ふはっ!そんなに颯汰とのランチ楽しみなんだ?」

と、笑いながら言った。

私はなんだか恥ずかしくなってきて、話を逸らすために質問した。

「廉先輩も今からランチですか?」

「いや、俺は今から体育祭の練習〜」

「え!?今からですか!?」

廉先輩の言葉に驚愕する。

(今から体育祭の練習ってことは、ほぼ休みなしってこと…?)

(きっとそれだけ体育祭に本気って事だよね…!)

「体育祭、頑張ってください!応援してます!」

私は素直に廉先輩を応援したいと思った。

けど、廉先輩は微妙な顔をして

「応援ありがと。」

と短く応えた。

(なんでそんな顔をするんだろう…もしかして私、余計なお世話だったかな!?)

不安になる私をよそに廉先輩は何か考え込んでいる様子だ。

「あ…あの…廉先輩?」

思わず声をかけると廉先輩はハッとしたように我にかえって

「ごめんね。時間取らせちゃって!じゃあ颯汰とのランチ楽しんで〜!」

といつもの様子で去っていった。

(廉先輩、何か考えてる様子だったけどどうしたんだろう…)

私は気になりながらも颯汰先輩の所へ向かった。