腹黒王子の愛は、激甘でした。

私はお昼ご飯を食べた後、チャイムがなる前に教室に戻ろうと廉先輩にお礼をして生徒会室を出た。

あともう少しで教室に着く。

そんな時、突然空き教室から手が伸びてきて、強い力でグイッと連れ込まれた。

「や、やめてくださいっ!」

私は怖くて声が出なくて、相手と目を合わせずに抵抗した。

すると、相手はすぐに手を離して、

「僕だよ、優。怖がらないで。」

聞き慣れたその声に顔をあげると、そこには颯汰先輩がいた。

「そ、颯汰先輩?どうしたんですか?」

私は状況が理解できなくて頭の中がパニックになる。

「優と話したいなと思って…。なのにごめんね。会議長引いちゃって…」

颯汰先輩は申し訳なさそうに言った。

「いえ…!全然大丈夫です!いつもお仕事お疲れ様です!」

私は素直にそう言った。

きっとみんなが見えない所でも沢山頑張ってくれてるであろう颯汰先輩は本当にすごいと思う。

(だから颯汰先輩と会えなくて寂しかったなんてわがまま言ったらダメだ…!)

「颯汰先輩!もうすぐ授業始まっちゃうのでそろそろ行かないと…」

私は本心がバレないように早くその場を離れようと思った。すると、

「待って。」

そう一言発した颯汰先輩は私の事をギュッと抱きしめた。

(え…!?私今、颯汰先輩に抱きしめられてる!?)

そう気づいた瞬間一気に私の心拍数は騒がしくなった。

「今日の放課後、生徒会室で少し話したい。いいかな?」

私は心臓がバックバクで

「は、はい…分かりました…」

そう返事するので精一杯だった。


* * *


キーンコーン、カーンコーン…

6限の終了を合図するチャイムで私はハッとした。

(ど、どうしよう!?颯汰先輩のこと考えてたら、あっという間に放課後になっちゃった!?)

午後の授業は色々考えすぎて全く授業に集中できなかった。

(とりあえず生徒会室に行かなきゃ…)

私はざわつく胸に気づかないフリしながら駆け足で生徒会室に向かった。