特にお酒が好きでもないのに、高時給というワードに食いついて入ったものの厳しい世界だった。 お酒の種類、タバコの火の付け方、話術、男の人を喜ばせる仕草、何もかも全てが分からないことだらけだった。 やっぱり自分とは縁遠い世界なのにお金に目が眩んで、選んだことが悪かった、すぐにでもやめよう。 そう思っていた時だった。 『アンちゃーん、指名入ったよ!』 そんなまさかと思いながら、足を運ぶ。 『ご指名ありがとうございます、アンです』