「ははっ。僕の為にこんなに美味しそうなお菓子と紅茶を用意してくれるなんて、キミはなんて麗しいんだ。勉強もひと段落ついたし、僕の部屋で濃密なひと時を過ごさないか?」
「ごめんね。みんなにも差し入れしてあげたいから」
とても喜んでくれた春人くんに軽く謝り、
「どうも。あとで頂くよ」
最初は私に敵対心剥き出しだった秋也くんも、受け取ってくれ、
「……気を遣わせたな、すまない」
無口でとっつきにくいと思っていた冬馬くんも、今ではただただ優しい男の子だと分かった。
ただ、まだ渡せていない人がいる。
それはーー。
「夏樹かい? 中にいるとは思うんだけど……」
夏樹くん。
彼の部屋にもノックをしたのだけれど、出てくるどころか部屋からは何も物音がしない。
部屋の前で困っていたら、お菓子を頬張りながら春人くんが声をかけてくれた。
「せっかくマホちゃんが美味しいお菓子と紅茶を差し入れてくれてるというのに、アイツは……」
「いいのいいの! 私が勝手にしてることだから!」
晴人くんか、少し怒ってるのが分かった。
しかし、私が原因で喧嘩になるのは申し訳なさすぎて笑って誤魔化した。


