「すみませーん! あのぉ!」
「っ……!」
少し遠い場所にいたから、大きな声で声をかけるとビクッと肩を跳ね上げて怯えた表情をしてこちらを見た。
えっ……!? な、なに……?
「助けてっ……!」
カタカタと体を震わせている。よく見ると、彼の目の前には黒く大きな獣がいる。
襲われてるんだ。
そう察してからは、考えるよりも先に体が動いた。
「任せてっ☆ 今、助けてあげるから!」
男の子にウインクして見せると、手のひらを獣の方に向けた。
「ぐぅおぉー! ぐわぁあーっ!」
雄叫びを上げる獣。口からはダラダラと涎を垂らして今にも男の子に襲いかかりそう。
早くなんとかしないと……!
「スモールスモールン!」
「ぐぉおおおっ!」
「っ……!」
ものすごい勢いで男の子に襲いかかる獣。
ぎゅっと強く目を閉じる男の子。
呪文を唱えると、手のひらから獣に向かって光線が放たれた。
みるみる小さくなる獣。
「……あれ?」
想像していた痛みが訪れないことを不思議に思った男の子が恐る恐る目を開けた。
そんな彼の前に5センチほどに小さくなった可愛らしい獣。
「キミ、大丈夫だよ。ほら、小さくなった今のうちに逃げよう」
不安そうにしている男の子に駆け寄り、そう声をかけて優しく手を差し伸べた。
が、その瞬間ーー。


