「それに、冬馬お兄ちゃんは大会も控えてる。問題を起こすと、大会に出られないし……名誉に傷が付くんだ」
「大会……? 名誉って……?」
こてんと小首を傾げると、四季くんも不思議そうな顔をした。
「あれ、聞いてない? 冬馬お兄ちゃんはね、空手の大会で負けたことがない【空手部のプリンス】って言われてるんだよ」
兄の異名を誇らしげにする四季くん。
空手部っていうのも、プリンスっていうのもよく分からないけれど、自慢そうにしているから、すごいのだというのはよく分かった。
「冬馬お兄ちゃんは、あまり自分のことを話したがらないから彼らと仲良くしている意図は分からない。でも、危ないことに巻き込まれてたらと思うと……!」
「分かった! 冬馬くんの安全を守る為だもんねっ。全力で調査するよっ」
グッと親指を立てて、四季くんに言うとぱぁあっと彼の表情が明るくなった。
「ありがとう! マホちゃんなら、引き受けてくれると思ったよ! それじゃあ、今日から……あっ!」
話の途中で、四季くんが大きな声を出して指を指すとその方向に視線を向けた。
そこには、ちょうど家から出てきた冬馬くんがいた。


