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私が柳楽邸に来て1ヶ月が経とうとした頃。
ピンポーンと明るいインターフォンが鳴った。
玄関へ行くと、久しぶりの訪問者がいた。
「やっほー、マホちゃん」
「四季くん、久しぶり」
「庭も玄関も、見違えるほど綺麗になったね。これも、マホちゃんのおかげだよ〜」
「えへへ。ありがとう」
私が、魔力をためるためにやっていることだからお礼を言われると何だか照れ臭い。
「四季くん、誰かを訪ねて来たんだよね? 呼んでくるよ」
「んーん。違うんだ。今日は……マホちゃんにお願いがあって来たんだ」
「……私に?」
こてん、と小首を傾げると四季くんは元気よく首を縦に振り周囲を確認した。
そして、「よし」と小さく言うと私の手を引いて門の外に停めてある黒の高級車に乗せられた。
「えっ、えぇっ!? どこか行くの?」
「んーん、どこにも行かないよ。この話……実は、あんまり人に聞かれたくなくて」
車の中には、運転手の男性と四季くんと私の3人。
四季くんが、【聞かれたくない】と言うと、運転手がエンジンを切って車から降りた。
「き、聞かれたくないって……?」
内緒の話だと思うと、つい声が小さくなってしまう。
それに合わせて四季くんも小声でこっそりと言った。


