「変わったの……かな?」
「うんっ! ちょっと待ってね……ミラミラー!」
ちょうど近くにあった水たまりに向けて、呪文を唱えた。
すると濁って不鮮明だった水たまりが、鏡のようになった。
水たまりの前まで手招きすると、変わった姿を見て目を丸くして驚いていた。
「これが……私?」
「そうだよっ。魔法だから、数時間後には解けちゃうんだけど……」
水たまりに映る姿に、まだ実感が湧かないようでゆっくりと動いたり、顔をぺたぺたと触っていた。
ーーそうだっ!
「ねねっ! もっと色んなの見せてあげる!」
「色んなの……?」
「うんっ! メーイクアップアーップ!」
手のひらを彼女に向けると、服や化粧や髪型が十数秒ごとに変わっていった。
これは本来、魔法使いが変装する時に使われる魔法。
自分の姿を変える魔法だけど、人に施すことで喜んで貰えるかな、と応用したのだ。
「すごい……可愛い。自分のことだから、なんだか恥ずかしくなっちゃうけど……私じゃないみたい」
くるくると回り、変わった姿に嬉しそうにしてくれる彼女。
いつしか、自然と笑顔も溢れるようになっていた。
しかし、和やかな雰囲気を壊すように『ビー!ビー!』とメーターから聞き覚えのあるエラー音が聞こえた。


