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「待って!」
走る彼女を追いかけ、ようやく声をかけることができた。
私の声に振り返ってくれた彼女。
もう泣いてはいないようだけれど、目は赤く腫れ、頬には涙の跡が残っている。
そんな彼女を見て、ズキッと胸が痛くなった。
「ごっ……ごめんなさいっ……!」
私の顔を見るなり、いきなり深々と頭を下げた彼女。
そんな彼女の様子に、驚いてしまった。
「へ……!? な、なんであなたが謝るの……?」
「えと、助けてもらったのに逃げちゃった、から」
申し訳なさそうに眉をハの字にして言う彼女。
「そんなそんな! 私なんて、大したことしてないよ!」
魔法も使えてないし、謙遜してしまう。
「ううん。すごく嬉しかったよ。ありがとう。柳楽くん達にも、お礼を言いたいんだけど……」
遠い目をして悲しそうな顔をする彼女。
「前にも、秋也くんに助けてもらったことがあって、今日ーーやっと、お礼を言う勇気を持てたのに……私を見つけた男子達に嫌なことを言われちゃって……ははっ」
辛いはずなのに、笑って誤魔化そうとする彼女。
見ていていたたまれなくなり、彼女の背中を優しく擦った。


