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一応、前置きしておくのだけれど私は止めた。
私は窓からこっそりと女の子を見ている。
門から覗いてる女の子を覗くというよく分からない構図だけれど、これはーー彼がどう動くのかを観察するためだ。
「やぁ、可愛いお嬢さん。そんなところで秋也なんかに想いを寄せるよりーーその強い思いを僕にぶつけてみないかい?」
思い立ったが吉日ということで、春人くんが女の子のところへ行ってしまった。
私は止めました(2回目)
けれど、彼は止まることなんてなかった。
「っーー!」
女の子は、顔を真っ赤にして走り去ってしまった。
これで問題解決ーーそう思っていたのだけれど。
「……なにやってんだ」
「っ!? び、びっくりした……」
窓から私が見えないよう身を潜めていたら、そんな私の体制に合わせて耳元で言ってきた夏樹くん。
いつからいたんだろう。
心臓が口から飛び出るかと思った。
バクバクといってる心臓を落ち着かせながら、夏樹くんの方を見た。
って、春人くんとあの子を見逃すわけには……あーあ、春人くんなんだか悲しそうな顔をしてる。
「春人のバカ、また行ってんのかよ」
「え? また?」
「あぁ。みんなは最初、あの女は春人のファンだと思ってたからな」
春人くん、何度もあの子に声をかけに行ってるんだと思うと、呆れてしまった。


