地元なじみ。

とはいえ……人は少なくともここは賑やかなフードコート。そして何より……目の前に早川くん。

先ほどとは打って変わって、全く集中できるわけがない。
でも……形はどうあれ、クリスマスイブに2人で過ごせて、嬉しいしドキドキしちゃう。

「ふっ……集中してねー」
「ご、ごめん!」
「いや、俺もだし」

どうやら早川くんも同じだったようで、シャープペンシルを置き、少し背もたれの方に体を倒した。
これはもう、勉強おしまいモードでいいかなと思い、話しかけてみる。

「カラオケさ、早川くんも歌ったの?」
「いや……まあ、1曲だけ……歌わされた」
「え、何歌ったの?」
「……この前いいって話してたバンドの歌」
「えー!私あれから結構聞いてるよ。何て曲?」
「……スノークリスマス」
「いいじゃん!季節的にピッタリだね。あの曲きれいで私も好きだな~」

ちょっと恥ずかしそうに話してくれる早川くん。
いいな、私も聞きたかったな……って強く思う。

あ……この感じ。
そうだ、後悔するくらいならちゃんと伝えるって決めたんだった。

「今度、歌ってるの私も聞きたいな」
「は?」
「いいじゃん、好きなんだし……あの曲!あの曲がね!」
「……まあ、いつか」

危ない……告白みたいになってしまうところだった。
告白はきっと、今じゃない。
早川くんとどうなりたいのか、ダメだった時に気まずくなるリスクとか、受験とか……きちんと自分の中で整理してからだ。

けれどきっと、答えはもう出ているような気もする。
だから少しだけ、また踏み出してみる。

「あ、あのさっ……」