地元なじみ。

窓の外の雨はまた強くなり、ザーザーと雨音が響き渡る。

美玲ちゃんから聞いた告白の話で少なからず動揺した。
けれど、そのまま美玲ちゃんと話しているうちに、少しずつ冷静にはなってきた。

部活の集合だってウソをつかれたのはショックではある。
けれど、私に心配かけないための優しいウソだとも分かっている。
それくらいには、私は早川くんを信用しているし、それだけの気持ちをもらっている。

だから、今の私たちに必要なのは……遠慮なく話すことなのだと思う。


美玲ちゃんが帰った今、昇降口前のベンチで私たちは2人きり。
美玲ちゃんと話しているうちに北高生も大半は下校したようで、今や辺りを通る人も少ない。

それゆえ、他校生の私がいることが悪目立ちする気がする。
とりあえず場所を変えることを提案しよう。

「……ごめん」

提案する前に、早川くんが重そうな口を開いた。

「えっと……呼び出し?のこと?」
「それもだし……色々と。とりあえず、この後平気?」
「う、うん。ただここだと……みんなに見られるし」

移動しようと立ち上がった時、早川くんが座ったまま私の手を掴んだ。

「藤沢は……やっぱり俺たちのこと、みんなに知られたくない?」
「え……?」
「俺は……」

――下校時刻です。申請をした生徒以外は速やかに下校を……――

早川くんの声をかき消すように、校内放送が流れてきた。

「早川くん、とりあえず移動して続きを……」

焦る私の手を掴んだまま、早川くんも立ち上がる。


「俺は……藤沢といる所を誰に見られたって、このまま校内を歩いたっていいと……思ってる」

言いながら、掴んでいた手を、指を絡めて恋人つなぎに変えた。

「わ、私だって……そう思ってるよ」
「え」
「ただ……他校生がまだいるのがバレたら……って。さっき言った、みんなに見られたらっていうのは、どちらかというとそっちの気持ち」

つないだ手に力を込める。
すると、早川くんは更にぎゅっと握り返してくれた。


「……なら、このまま。移動しよ」