地元なじみ。

そして今日、文化祭当日。

意外にも、2人が一緒にいる時間はほとんどなかった。
それどころか、お互いに付き合っていること否定して、友達だって言って……
どういうこと?まさかギクシャクしてるの?


片付けの時間になって、ひなたくんの周りがざわざわしている。

「なー見た?林!彼女っぽい子と昇降口前にいたんだよ」
「マジ?林もついに彼女出来たのか!」
「いや、あの子ってさ……ひなたと仲良い子だよね?」
「は?」
「あーそうそう!ひなたがボーリングの時絡んでた子だよ!」
「林の彼女なの?」

ああ、そういえばさっき通った時、あかりちゃんと林くんが一緒にいたっけ。
あかりちゃんの彼氏はひなたくんだよ?って感じだけれど。
昼間否定してたし、知らない人からしたらそう見えちゃうよ、そりゃあ。

「美玲!聞こえた?」
「え?」
「林くんとあのひなたくんの知り合いの子、付き合ってるの?」
「う~ん、知らないなあ」
「付き合ってるのかな、どうなんだろ~」

さくらこと、さくちゃんからは、そうだったらいいな、という想いがにじみ出ている。

さくちゃんは中学の頃からの友達で、ひなたくんのことが好きな仲間。
だけどさくちゃんは、あかりちゃんの前でのひなたくんをほとんど知らない。
塾も高校から入ったし、ボーリングの時以外であの2人が話している姿を見ていないと思う。

ひなたくんにとって、あかりちゃんがどれだけ大切な存在なのか、目の当たりにしていない。

今だって、ひなたくんは周りの男子たちの話を聞いて黙っているけれど、嫉妬でかなりイライラしているように見える。
何でみんな気づかないの、というくらい隠せていない。
ひなたくんもひなたくんで、何で俺の彼女だって言わないのよ。


そんな教室からひなたくんは無言で出て行った。

「え~ひなたくん、片付けは~?」

そんなひなたくんの後を追って、さくちゃんも教室を出て行った。
きっと行先は……あかりちゃんの所だと思うけれど。


しばらくして教室に戻ってきたひなたくんは、更に不機嫌になっていた。