地元なじみ。

「横浜ベイサンダーって知ってる?」
「まあ。そりゃ、地元のバスケチームだし」
「今ね、学生無料観戦キャンペーンやってて。抽選ではあるんだけど」
「へー」

そう言いながら早川くんは、スマホでそのチームのサイトを開いている。

「も、もし当たったらさ、2人分だし……い、一緒に行かない?」
「……」
「あっいや、梓ちゃんものんちゃんも、あと弟もバスケあまり知らなくてさ。部活のみんなは1人だけ誘うのもアレだし……」

なんで俺を誘うの?って思われそうで、断られたらと思うと怖くて……どんどん言い訳っぽい言葉があふれて、からまわってしまう。
普通に、早川くんと行きたいって言えればいいのに。

「……今、チケット買っちゃってもよくない?」
「へ?」
「いや、これ見ると抽選だと当たっても日付ランダムだし、席も選べないし。もう買っちゃってもよくね?」

スマホでサイトを見ながら話す、早川くんの予想外の言葉にポカンとしてしまう。
それは、確実に一緒に行けるってことでいいのかな……ウソ、嬉しすぎる。

「え……もしかしてお金に困ってる?」
「……困ってないよ!」

脳内処理が追い付かなくて次の言葉が出ない私を、早川くんは憐れむかのように見ている。
完全にからかっている顔だ。

「ひ、日付決めてチケット取ろう!今!」

学生無料なんて早川くんを誘う口実で、一緒に行けるならお金を払っても申し込みたい。
このまま勢いで、早川くんとの試合観戦の約束を確保したい。

フードコートで過ごす後半は、無言でお互いスマホでチケット申し込みする時間となった。

私たちらしい、そんなクリスマスイブの夜。