今度はわざと、コツンと早川くんに肘を当てる。 「ありがとう」 「俺が寒かったからだし」 「うん、でも私も助かったから」 「まだ冷たいけど」 「もう大丈夫、ありがとう」 お互い前のホワイトボードを見たまま、視線を合わせることなく小声で話す。 授業中で、前を見ていないといけなくてよかった。 顔を合わせていたら、照れくささや緊張で素直にお礼言えていたか、わからなかったから。 結局帰ったあと、私は熱を出して寝込んでしまい、次の日から3日間休んでいる間に夏期講習も終わってしまった。