(仮)ヤンキーくんとピュアな恋をする

「いいのか!?」
「その代わり遊んでいいのは宿題全部終わしてからね!」

これならうちにいる間私は読書ができるし、晴大も宿題サボらないだろうから、一石二鳥だろう。苦肉の策だけど結構いいのではないだろうか。

「ほんとに、いいんですか?」

おずおずと千尋くんが聞いてくる。うっ、その上目遣いは反則だよ…。天使のような顔に見上げられるとそれだけでなんでも許したくなる。

「もちろんいいよ!千尋くんも宿題終わってないのあったらもってきて一緒に勉強してもらってもいいかな?晴大がサボらないように!」
「はい!わかりました!ちゃんと勉強します!」

さっきとは打って変わっていい笑顔を浮かべている。ええ子や〜…。ほのぼのしてしまう。

「じゃあ、お昼を食べたらまたここに集合しよっか。 ん〜、14時くらいでいいかな? あ、そういえばお家はここから近いの?」
「家はここからだと、10分あれば余裕で着くので大丈夫です!14時だと全然間に合うと思います!だよね兄さん?」
「あぁ、そうだな。」
「じゃあそうしよう!」
「やったぜ!楽しみが増えたな!あ、もちろん兄ちゃんも来るんだろ?」

んなぁ!? なんてこと聞くんだ!私は千尋くんだけを誘ったのに!そんなこと言ったら千景まで呼ばないといけないじゃない!でも待って、特別親しくもない小学5年生に誘われても来ない可能性の方が高いはず!

「…俺も行っていいのか?」
「あったりまえじゃんか!兄ちゃんも一緒にゲームしような!」
(いや来るんかい!!)

思わず心の中で突っ込んでしまった。なぜそうなるんだ…うちには彼が楽しめるようなものは何もないのに…。
しかも何故か少し嬉しそうにしている。小学5年生に誘われて喜ぶ高2というのもいるんだなぁ…。

「いいだろせなねぇ?」
「あ、あ〜ははは、うち面白いものなんもないけど大丈夫?」
「…。」

千景はコクコクと無言で頷いた。はぁもう、言ってしまったものはしょうがない。私は黛兄弟をうちにあげることにした。

「わかったよ、その代わりほんとに何も無いからね!? じゃあ、また後でここ集合で、千尋くん宿題持っておいでね〜」
「また後でな〜!」
「うん!また後で!」
「おぅ」

黛兄弟に別れを告げ、公園をあとにする。
午後からも遊べることになって晴大もウキウキだ。

お昼は軽く済ませ(晴大のリクエストでオムライスだった)、2時まで片付け、少し食休みして再度公園へ向かう。足取りの軽い晴大と、了承してしまったことを後悔している私。