(仮)ヤンキーくんとピュアな恋をする

「だだだいじょうぶだよ!!全然!!平気平気!!ごめんねぼーっとしちゃって!!」

はっと我に返ってささっと距離をとる。動揺してすごく早口になってしまった。
今のはなんだったんだ…。未だに心臓がバクバクと音を立てている。普段学校で見る姿とギャップがありすぎてついていけない。女嫌いじゃなかったの? さっき普通に触ってましたけど!?
黛は挙動不審になった私を見て、きょとんとしていたが、すぐにくつくつと笑った。

「そんなにびっくりしたか?」
「…!! 」

わ、笑った…。ただでさえかっこいい顔が笑顔になると、更に破壊力がすごい。思わず見とれてしまう。

「どうした?急に黙って。」
「ナ、ナナンデモナイヨ! そーだ! 今何時かな!?」

顔に見とれてましたなんて言えないので、話題を変える。ポケットに入れていたスマホで時間を確認するといつの間にか12時近かった。晴大とは昼には帰る予定だった。

「あ、もうこんな時間。お昼だし、私たちはそろそろ帰ろうかな! 晴大〜!千尋く〜ん!」

まだ追いかけっこをしているふたりに声をかける。私の声に気づいたのか、走って近づいてくる。散々走ったのにまだ走れるのか、小学校の体力はすごいな…なんて感心した。

「そろそろお昼だから帰る準備しな〜」
「えーもう!? じゃあ一旦帰るか!千尋は午後も暇か?」
「うん、暇だよ!」
「じゃあ午後も一緒に遊ぶか!」
「いいの!?」
「こらこら、遊ぶのは午前中だけで午後から宿題するって約束だったでしょ!?」
「えぇ〜!せっかく仲良くなったのに〜!」
「わがまま言わないの〜」

私とふたりだけだったらすんなり帰っただろうけど、同じ年頃の遊んだら、楽しくなってしまったんだろう。でも約束は約束だ。

「晴大くんしょうがないよ、約束は守らないと。僕とはまた今度一緒に遊んでくれたら嬉しいな…」

思わぬ所から助け舟が出た。千尋くんが私に気を使ったのか、晴大を諭してくれる。でも、当の本人の顔がすっごく寂しそうだし、見るからにしゅんとしてる。それはもう、すっごく心が痛む。でもここでなぁなぁにする訳にも行かないし…。晴大もしゅんとする千尋くんを見て、(どうすんだよ…悲しんでんぞ?)的な視線を向けてくる。えっと、どうしよう、別に悲しませたかった訳じゃなくて、えーとえーと…と考えた結果出た策が、

「千尋くん!宿題終わった!?午後から晴大宿題する予定だから、うちで一緒に宿題したらいいんじゃないかな!?」

だった。