矢神さん僕の事誘ってます⁈

私の自宅は会社から電車で3駅の所にある、立地の良いオートロックのマンションだ



駅から徒歩15分圏内で会社からの通勤の便も良く、使い勝手の良いシステムキッチンに広めなリビングダイニング、寝室も兼ね揃えた1LDKのマンションだ‼︎



賃貸物件で駅から近い為少し家賃も高めだけど、広めなリビングに大きめな窓、洗濯物もきちんと干せるバルコニーに、大きめなキッチンのあるこのマンションに、私は一度内覧しただけで一目惚れした



『YASURAGI』には大学を卒業した時から勤めていて、今はもう勤続7年になる‼︎



結婚をしたり出産を機に、一緒に会社に入った同期の子達は辞めて行く子さえいたが、結婚どころか彼氏さえいない色恋沙汰とは全く縁のなかった私は、まるで仕事の鬼みたいに、ただ年数を重ねて仕事に燃えているだけだった…



ふと冷蔵庫の中を見ると、買っておいた缶ビールと、コンビニで買ったお気に入りの焼き鳥と枝豆が寂しく冷蔵庫の中にポツンと入っている



小さいわけでもないちゃんと大きめな3段式の冷蔵庫を購入したのに、入っているのはミネラルウォーターと缶ビール、つまみ、冷凍室にはチンするだけの冷凍パスタシリーズだけが、寂しく冷蔵室と冷凍室に収まっていた



自炊しようと張り切って選んだシステムキッチンだが、腕を振るう機会もなく、せいぜいケトルでお湯を沸かす用途にくらいしか使われていない



料理は嫌いな方ではないが、腕を振るう相手もおらず、取り留めて料理をする必要性もない


 
世の中のコンビニエンスストアは寂しいお1人様の為にあるんだなと、偏見と皮肉を持ちながらもコンビニに通う事を止められず、お一人様には有り難みを持たずにはいられなかった…



プシュッとお風呂上がりに買ってきた缶ビールを一口口にする…



疲れたお風呂上がりの体にビールが染み渡り、冬なのに私の体を癒してくれる気がした…



この生活が不便に感じる訳でも、取り留めて寂しい訳でもない…



ただ…自分を恋愛不適合と認定して早5年‼︎



今まで同じ会社の経理の子達は、意欲的に彼氏を作り、まるで華やかに煌びやかに彼氏がいると言うティアラを頭にのせ、合わなければ次々に男の人を変えてまたティアラを頭に乗せていく…



まるで自分はそこにたった1人ポツンと残され、王子様に選ばれなかったその他1として、たった1人取り残されて行くのだ…