矢神さん僕の事誘ってます⁈

次の日…朝目覚めると私は自宅のベッドに眠っていた



見慣れた自宅の白いシンプルな壁紙の天井と、キッチンからはコーヒーの香ばしい良い香りがする…



カタカタッと食器を並べる音がして、誰かがキッチンにいるのが分かった…私は昨日どうしたんだっけ⁇思い出そうと頭の思考回路を巡らせようとしても、頭がガンガンと痛んで思い出せない…起きあがろうとしたその時…寝室の扉がガチャっと開き、コップに入った水を持って日尾くんが現れた…



「菜子さん起きたんですか⁇」



飲みすぎたせいか頭がガンガンと鳴って煩く響く…



「いったー」
    


ガバっと勢いよく身体を起こしたせいで、頭はガンガンとまた痛み、私は片手で頭を覆った…



「菜子さん大丈夫ですか⁇あんなに無茶な飲み方するからですよ」



水を持ってきた日尾くんは私に水を差し出し、ガンガンと痛む私の頭にそっと触れた…



「ごめん…私手当たり次第沢山お酒を飲んだ事は覚えているんだけど、その後どうやっでここまで帰ったとか…酔ってて覚えてないの…」    



申し訳なさそうに謝ってはみるものの、私にはやっぱり昨日の事が思い出せない…



日尾くんはハーと一つため息を着くと、私の記憶がない昨日の出来事の一部始終を教えてくれた…



「昨日は飲み会で菜子さん沢山お酒を飲んでふらついていて、僕が抱き抱えてタクシーに乗せて自宅まで連れてきたんです⁉︎僕が帰ろうとしたら菜子さんが「帰らないで」って僕を引き止めるから、僕はリビングのソファーで寝かせてもらいました。どうしてあんな無茶な飲み方したんですか⁇菜子さんらしくなかったですよ⁇」



日尾くんは私に昨日の出来事の一部始終を教えてくれた…



酔い潰れて挙げ句の果てに日尾くんにここまで運んでもらったなんて、恥ずかしくて申し訳なさすぎる⁈



「ごめんね⁉︎ここまで運んでもらったなんて、本当に申し訳ない…」



恥ずかしがりながら本気で謝る私に日尾くんはクスッと笑っている



「おかげで僕達が付き合っている事は会社のみんなに周知の事実になりましたけど、僕も我慢の限界だったので仕方ないですよね⁇」



意地悪にそう言う日尾くんには何の悪びれもない…そうか…日尾くんが私を抱っこして運んでくれたって事は、社内の皆んなに私達の関係がバレちゃったって事なんだ⁈



私は恥ずかしくて真っ赤になる…でも…我慢の限界とはどう言う事だろう⁇



「それで…菜子さんは何であんな飲み方してたんですか⁇何かやけ酒に走る嫌な事でもあったんですか⁇」



日尾くんはやっぱり意地悪だ…そう言われたら、自分の気持ちを正直に話さないわけにはいかなくなる…



「それは…イチャイチャくっついている2人を見ていたくなかったから…日尾くんは私と付き合ってるのに、宮部さんと一緒に楽しそうにしている姿を見ていたくなかった…」



正直に言うハメになってしまった私はもう自分の本当の気持ちを隠せない…



「それってつまり、菜子さんが僕にヤキモチを妬いてくれたって事ですよね⁇」



ニンマリ笑って嬉しそうな日尾くんに私はもう敵わない…皆んなに知られたらどうしよう⁇とあんなに思っていたのに、今は知られてほっとして不思議と胸の支えが取れてすっきりとしている自分がいる…



恋のパワーは偉大だなと思った…



「うん…私…ヤキモチ妬いてた…日尾くんを誰にも取られたくない‼︎私だけの日尾くんでいてほしい」



正直に口に出して凄く恥ずかしかったけど、日尾くんを誰にも渡したくないと素直にそう思った…



「それは僕も同じですよ‼︎菜子さんを誰にも渡したくなんてないです」



お互い言い合った言葉がまるで高校生のようで、恥ずかしくて笑えてくる… 私達はもう20代後半の大人なのに、中身はまるでまだ高校生みたいで、本当の気持ちをまるで言い合えてなかったことに笑えてしまった…