偽りのお見合いだとバレたのに、溺愛されています


「実は私の代わりにお見合いを受けてほしくて」

「え!??」

予想外なお願いにビックリした。

どうやら、
どうしても外せない仕事とお見合いの日程が被ってしまったらしい。

お見合いの日程をずらすにも、
仕事や他のお見合いなどの日程がつまっていて、リスケもできない状態とのことだった。

「橘がお見合いのときすごく怖いから、全然お見合いがうまく行かなくて…

ヤケクソになってお見合いをどんどん入れてしまったら、仕事がいきなり忙しくなっちゃったの」

百合子は本当に困っているようだった。

「そうしたら断っちゃったら?」

「いや、父が無理を言ってお願いしたみたいで…
対面で会うことはないんだけど、
大事な取引先だから無下にはできないし、あちらも仕事が忙しいなか予定を組んでくれたから、リスケできないとも言いづらくて…」


「あと、橘もこの件相談して、
お見合いに付いていってもらうから、
おそらく今回の相手も橘をみたら怯んですぐに断りをいれてくると思うの」

確かにあの迫力で睨まれたら怖いし、今までの男性も断りを入れてきたなら大丈夫かも。

ーこんな可愛い百合子のお見合いを断るくらいだもん。
私相手だったらすぐ断られるだろう。

でも、そもそも代わりなんてして大丈夫なんだろうか?

「私がお見合いしたとして、
取引先ならバレてまずいんじゃないの?」

「いや、さっきも話したけどそこの会社と対面のやりとりはないんだよね。
まあ、もしバレたら、
全部私が責任とるから、楓は気にしないで」

「うーん、でも私が百合子の代わりになれるかな?」

百合子は可愛くてバリバリ働いている。

私は最近化粧っ気もなく、
アルバイト中も眉毛や下地はメイクするが、本当に薄いメイクで動きやすい服装働いている。

昔正社員として働いていたときは、
もう少し身だしなみに気を遣っていたが、適応障害になってからはおしゃれに対してやる気がでなくなっていた。

「楓はそのままで大丈夫!
ただせっかくだから、コスメや服をプレゼントしてもいいかな?」

「いや、それは申し訳ないし大丈夫だよ」

「いやいや、きっとお金は嫌がるだろうし、今日のランチはもちろん奢るけど、
それだけじゃこっちが申し訳なくて…
お願いだからプレゼントさせて」

「うーん、そう言われると、、、
じゃあお願いします」

私がそう答えると、
百合子がすごく嬉しそうな表情になり、
「任せて!今日はこの後予定ないって言ってたよね?ちょっと付き合って」
と言ってきた。