──定時に仕事が終わり
ビルの前で彼女を待つ。
すると案外すぐ来た。
「じゃあ、行こうか」
「はい」
「どこに行く?」
二人でフラフラと歩いていると──
「森川さんって結婚してるんですか?」
唐突に聞かれた。
なんでそんな事今聞くんだよ……。
「結婚してないよ。彼女もいない」
「え!意外です」
「川崎さんがあんな若い子と結婚する方が意外だよ」
なんだか自分を取り繕うのも馬鹿馬鹿しくなってきた。
「もっと早く動けばよかった」
「はい?」
「いや、なんでもない」
とりあえず適当に店に入るか。
「あ、俺行きたい飲み屋あるんだ。そこでもいい?」
「はい!大丈夫ですよ」
と、言われたから店に入ったものの、なぜか怯えた顔をメニュー表で隠している。
「……どうした?」
「いえ、おきになさらず……」
その時、店員が料理を持ってきた。
「あら、この前婚姻届持ってきた人じゃない!!」
───は?
「あんたー!来たよあの子!」
店長が出てきた。
「お?」
「婚姻届の子」
婚姻届の子??
「え、何?なんかあったの?」
「おー!あの子は元気か?あのかっこいい兄ちゃん」
「はい……おかげさまで」
「無事に夫婦になれた?」
「はい」
「また一緒においで」
「はい、今度連れてきます」
二人は店の厨房に戻った。
何が何だかわからない。
「婚姻届ってなんのこと?」
彼女が気まずそうにしている。
「実は──」
そこで彼女は真実を全て話した。
衝撃的だった。
「告白された次の日に入籍?」
「はい。酔った勢いで……」
なんだそれ……。
天を仰いだ。
正確には天井をみていた。
「婚姻届持ってきたんだ。あの子」
「はい。びっくりしました」
負けた。
出会ってすぐに婚姻届持ってくるとか。
「それは俺にはできねーわ」
「そ、そうですよね」
「出す時も嫌がらなかったんだろ?」
「困ってたとは思います」
「……でも本気だよな。あの子」
「はい。入籍してすぐに、私を妻として扱ってくれています」
彼女の穏やかな表情が胸を抉る。
「あんな若いのにすごいなー。いくつ?」
「大学生ですね」
「まじか」
大学生って……。
若いっていいな。
自分の感情だけで突っ走れる。
「お互いのことほとんど知らないで結婚って、話題とかあるの?」
「うーん。まだ一緒に住んでないので、そこまで色々話せてはいないです」
「そうか……。まあ幸せならそれでいいか」
この訳のわからない話。
受け止めないといけない。
そのあと、色々雑談をした後、店を出た。
「いやーえらいこと聞いてしまった」
「秘密にしてください。お願いです」
俺をなんだと思っているんだよ。
「俺言うと思う?」
「いえ……森川さんは信用してます」
信用とか一番言われたくない言葉だわ。
ビルの前で彼女を待つ。
すると案外すぐ来た。
「じゃあ、行こうか」
「はい」
「どこに行く?」
二人でフラフラと歩いていると──
「森川さんって結婚してるんですか?」
唐突に聞かれた。
なんでそんな事今聞くんだよ……。
「結婚してないよ。彼女もいない」
「え!意外です」
「川崎さんがあんな若い子と結婚する方が意外だよ」
なんだか自分を取り繕うのも馬鹿馬鹿しくなってきた。
「もっと早く動けばよかった」
「はい?」
「いや、なんでもない」
とりあえず適当に店に入るか。
「あ、俺行きたい飲み屋あるんだ。そこでもいい?」
「はい!大丈夫ですよ」
と、言われたから店に入ったものの、なぜか怯えた顔をメニュー表で隠している。
「……どうした?」
「いえ、おきになさらず……」
その時、店員が料理を持ってきた。
「あら、この前婚姻届持ってきた人じゃない!!」
───は?
「あんたー!来たよあの子!」
店長が出てきた。
「お?」
「婚姻届の子」
婚姻届の子??
「え、何?なんかあったの?」
「おー!あの子は元気か?あのかっこいい兄ちゃん」
「はい……おかげさまで」
「無事に夫婦になれた?」
「はい」
「また一緒においで」
「はい、今度連れてきます」
二人は店の厨房に戻った。
何が何だかわからない。
「婚姻届ってなんのこと?」
彼女が気まずそうにしている。
「実は──」
そこで彼女は真実を全て話した。
衝撃的だった。
「告白された次の日に入籍?」
「はい。酔った勢いで……」
なんだそれ……。
天を仰いだ。
正確には天井をみていた。
「婚姻届持ってきたんだ。あの子」
「はい。びっくりしました」
負けた。
出会ってすぐに婚姻届持ってくるとか。
「それは俺にはできねーわ」
「そ、そうですよね」
「出す時も嫌がらなかったんだろ?」
「困ってたとは思います」
「……でも本気だよな。あの子」
「はい。入籍してすぐに、私を妻として扱ってくれています」
彼女の穏やかな表情が胸を抉る。
「あんな若いのにすごいなー。いくつ?」
「大学生ですね」
「まじか」
大学生って……。
若いっていいな。
自分の感情だけで突っ走れる。
「お互いのことほとんど知らないで結婚って、話題とかあるの?」
「うーん。まだ一緒に住んでないので、そこまで色々話せてはいないです」
「そうか……。まあ幸せならそれでいいか」
この訳のわからない話。
受け止めないといけない。
そのあと、色々雑談をした後、店を出た。
「いやーえらいこと聞いてしまった」
「秘密にしてください。お願いです」
俺をなんだと思っているんだよ。
「俺言うと思う?」
「いえ……森川さんは信用してます」
信用とか一番言われたくない言葉だわ。



