【番外編集】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

帰り道、悶々と考えていた。

川崎さんがフリーだったとして、だから俺とどうにかなるって可能性はないかもしれない。
当たって砕けてしまうかもしれない。

でもやれる事はやりたかった。

ただただ後悔。

そのまま帰る気にもなれず、よく行く居酒屋に直行した。

***

──翌日

彼女と廊下でばったり会ってしまった。
目も合ってしまい、逃げられず。

「あ、川崎──今はなんだっけ?」

なんとか平静を装う。

「旧姓のままでいいですよ」

いやでものしかかる現実。

「いやーびっくりした」

「え?」

「いつの間にか結婚してて」

ついでてしまった本音。

「私もびっくりしてます」

──は?

「なんで?」

「初めて会った次の日に結婚──」

初めて会った次の日?

「え?どういうこと?」

「あ、なんでもないです!」

その時、ふとあの男の顔が頭をよぎった。
既視感がある。

「あの子見た事あるんだよね」

「え!」

「前飲み会の時にいたような気がするんだよ」

いた。そうだ。
女子社員が絡んでいた。
気の毒だと思っていた。

「勘違いですよ。全然違いますよ」

「今日あの居酒屋行ってみようかな」

彼女が焦りだした。

「あ、あの、今日一緒に別の所に食べに行きませんか!?」

──は?

「いいけど。なんで?」

「森川さんと話してみたかったんです~」

話してみたい?
なんで今更……。
なんだその作り笑顔。

「わかった。じゃあ、川崎さんのおごりね」

「わかりました!ありがとうございます!」

なんなんだよいったい……。
これ以上追い討ちをかけられたくない。

でも、二人で飯を食べに行ける事が、不覚にも嬉しかった。

もう人妻なのに。