【番外編集】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

もう少し話してみたい。
そう思っても、飲み会の一次会が終わったら速攻で帰ってしまう。
話す隙がほとんどない。

自分から誘えばいいのに、断られるのも怖いし、それでギクシャクするのも嫌だった。
だから何もアクションもできないまま時だけが過ぎて行った。


でもチャンスが巡ってきた。
同じプロジェクトのメンバーに選ばれた。
選ばれた数名が会議室で定期的に打ち合わせをする。
それを元に各々作業をする。

進捗をまた次のミーティングで言う。
それだけだったが、同じチームで作業すること、業務上必要最低限の会話だけど話せること、それが純粋に嬉しかった。

「森川さん、この部分なんですけど──」

書類を持ってこっちにくる。
微かに香る匂いが心をくすぐる。
指先を見てしまう。
我ながらヤバいと思っても意識してしまう。

仕事が終わって、彼女がまだ残っているのを見て

「どのくらいかかりそう?」

そう聞いてしまった。

俺を少し見た後、

「結構かかりそうですね……」

とつぶやいて、目線はモニターに戻った。

全く意識されてない現状をどうにか打開したかった。

「何か手伝おうか?」

そう言うと、

「いえ、大丈夫です」

それで終わってしまう。

諦めて帰る。

こんなんじゃいくら経っても前に進めない。
余計な事考えないで、当たって砕けようと思い始めてきた。

そんなことを考えていた矢先──

彼女が入院した知らせがきた。