【番外編集】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

「え、誰に電話してるんですか!?」

私が必死にスマホを取り返そうとする。
少しすると電話が繋がった。

『お疲れ様です!七海さん』
「あ、旦那さん?奥さんが手に負えないから迎えに来てくれる?」
『……え?』
「なに勇凛くんに電話かけてるんですか!!」

居場所を伝えた後、電話を切った。

「夫婦で話し合えよ。ちゃんと」

今の俺にできるのはここまでだ。

「自分大事にしろよ」

その場を去った。

ああ、虚しい……。

もうこの辺でフェードアウトすればいい。
した方がいい。

出口の見えないトンネルにいるようだった。

◇ ◇ ◇

──翌日

彼女に謝罪された。

「昨日はご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」

冷静になった彼女を見て少し安心した。

「旦那さんとは話し合えた?」
「はい」
「……大変だな。二人とも」
「そう……ですね」
「心配だ」

思わず本音が漏れてしまった。

「じゃあ」

もうこの辺にしよう。
ここまでだ。

──そう思っていたのに。

仕事帰り、ビルから出ると、彼女が追いかけられている。
謎の男に。

どこか似ている。
彼女の旦那に。

まさか……。

気づいたら、俺は彼女の隣にいた。