【番外編集】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

「なんかフクザツ」

「はい?」

「突然現れた王子様に拐われたような」

「誰がですか?」

「誰でしょう」

気づけよ。

「森川さん、なんか言いたいことあるならハッキリ言って欲しいんですが……。私は鈍感だからわからないです」

あー、めんどくさ。

「俺、川崎さんのこと、狙ってたんだけど」

彼女は驚いて目を見開いている。

「え!?」

「モタモタしてた自分が悪い……。次からは気をつけよう」

隠すのも疲れた。
というか、もうこの気持ちを精算したかった。

「じゃあ俺帰るわ」

そのまま二人で何も話さず駅に。
なんでついてくるんだ?

「あ、今日はありがとうございました」

彼女が頭を下げた。

二人の時間は、呆気なく終わった。

「俺の言った事、あまり気にしないで。今まで通りで」

ただの先輩と後輩でいるしかない。
もう。

◇ ◇ ◇

──翌朝

会社に入ろうとすると、見覚えのある姿が。

あの子だ。
川崎さんの『旦那』。

その後ろに隠れている何か。
わかっている。
なんで隠れているんだよ。

「おはよ〜」

と、旦那の肩越しに覗いてみた。

旦那、めっちゃ不快そうな顔をしている。

その顔を見たら、なぜか凹んでた気持ちがやや浮上した。

「なんで二人ともそんな元気ないの?」

──って、昨日と同じ服着てるじゃねーか。

「朝から仲がいいことで。じゃあまた後でね〜」

また凹む。