並んで歩くなら、あなたと

 夕方、先輩は校門の花壇の草むしりを、私は校庭で干からびた花に日よけを立てる作業を終えて、中庭で再会した。


「宿題の一覧ある? ……去年とほとんど同じだね。一見たくさんだけど、実際はそれぞれ一日一ページくらいやれば終わるから、大丈夫」

「そうなんですか?」

「うん。レポートは、お題がわかったら内容を考えればいいよ。今度、俺の去年書いたやつ持ってくるし……(みどり)ー」


 世菜先輩は近くにいた他の二年生に声をかけて、去年のレポートを見せてもらえるよう頼んでくれた。

 話を聞いていた三年生も、過去のレポートや課題を持ち寄って教えてくれるという。

 誰も助けてくれなかったら、桔花と蓮乃と一緒に藤也に泣きついていたところだった。


「大丈夫、ちゃんと終わるよ」

「ありがとうございます。助かります」

「いいよ。俺はこれくらいしかできないから」

「そんなことないですけど、先輩もレポートあるんですか?」

「ある。あとたぶんワークが一年生のよりも厚い」


 世菜先輩は、うんざりした顔で肩をすくめた。


「二年のレポートが結構面倒なんだよな。去年、先輩に見せてもらったんだけどさ」

「ふうん。じゃあ、どっかで一緒に図書館とか行きます?」

「えっ」

「私もいっぱいありますし。ていうか、なんで保健と体育がそれぞれレポート必須なんですか。意味分かんないです」

「そうだね。えっと、由紀さんが嫌じゃなければ」

「嫌なら誘いませんけど」


 読書感想文もあるし、学校の近くの図書館には自習室があったはずだ。

 たぶん家にいたら勉強なんてしない。

 だって、窓からパパが畑にいるのが見えたら、そっちに行っちゃう。


「……お願いします」

「お願いしてるのは私ですよ。頼りにしてます」


 見上げた世菜先輩は、いつものようにふにゃっと笑っていて、すごくかわいくて、私より陽だまりに咲くプルメリアの髪飾りが似合いそうだった。