追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜

 エリスはムッとしてからプイッとイリオに背を向ける。

(私だって、この森にイリオを置いて行ったとしてまた死にそうになってしまったら嫌なのに。でも、屋敷にまた連れて行ったら今度こそ怒られて、きっとお父様に言いつけられてしまう)

 しゅんとして地面を見つめていると、フワッと後ろからイリオに抱きしめられる。突然のことにエリスの心臓は大きく跳ね上がった。

(えっ、イリオ?)

「俺はお前と離れたくない。お前と一緒にいたい。お前は、俺と一緒にいるのは嫌か?」
「……私だって、あなたをここに置いていくのは嫌よ、心配だもの。でも、きっと屋敷の人たちが許してくれないし、お父様にもきっと言いつけられてしまうわ」

 エリスの言葉に、イリオはエリスを抱きしめる力を強くして、エリスの肩に頭を埋める。

「お前も俺と一緒にいたいんだな?だったら、問題ない。屋敷の人間のことは俺がなんとかする」
「なんとかって、できるの?」
「ははっ、俺は神獣だぞ。できないことなんてない」

 ククク、とイリオが笑うと、エリスの首元にイリオの息が当たってくすぐったい。

(う、なんだかくすぐったいし、恥ずかしい)