追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜

(え?死んでも良かった、って言った?)

 エリスが困惑したような顔でイリオを見つめると、イリオはフッと微笑んでエリスの髪に手を伸ばす。

「エリス、俺に敬語は必要ない。お前は俺の恩人だ。それにお前が俺を世話していた時と同じように接してほしい。お前は人間だが、対等でいたいんだ」
「えっ、そんな……」
「お前が嫌がるなら、……そうだな、これは命令だ。これなら納得せざるを得ないだろ?」
「う……わかりました、じゃない、わかったわ」

 エリスがそう返事をすると、イリオは満足そうに頷いた。

「よし、まだ朝までは時間がある。それまで寝よう」

 そう言ってエリスを抱きしめると、ベッドの中にモゾモゾと入り込む。

(いや、ちょっと待って、抱きしめられてる!?ええ!?)

「えっ、いえ、ちょっと待って!このまま寝てたら、メイドたちが起こしに来たときに驚いてしまうでしょう」
「ああ、それもそうか。チッ、せっかく人の姿になれるようになってエリスを抱きしめて寝れると思ったのに、仕方ない」

 そう言うと、イリオはポンッと狼の姿になる。その姿を見て、エリスはなんだかとても安心した。

(ああ、良かった。可愛い犬、じゃなかった、狼の姿だわ)

 エリスはホッとして狼姿のイリオを抱きしめると、そのふかふか具合に安心したのか、すぐに寝息を立て始める。

ーー全く、狼の姿だと簡単に心を開くんだな

 クゥ、とイリオは小さく唸ってから目を閉じた。